夕張メロンの秘密

北海道夕張市に来た。

地元の方に、名産品の夕張メロンについての興味深い話を聞いた。
夕張メロン」という植物の品種は存在せず、2種類の植物の1代かぎりの掛け合わせ種、つまりF1が、夕張メロンなのだそうだ。(*1)

そして、夕張メロンの大規模栽培農家というものは存在しないのだ、とも聞いた。
極めて細かい温度、湿度の管理を必要とするので、家庭経営の農家が、家族総出で、1月頃から畑をつくり、夏の収穫期まで、細かい調整と管理をしながら育てるのだという。

ということで、残念ながら夕張メロンの種をいくら集めて植えても、あの甘い夕張メロンは育てられないのだ。そして、そのF1種をつくるための種は、厳密に、門外不出に管理されているのだという。

確かに、種が出回って、誰でも作れるようになってしまったら、夕張メロンの市場価格のコントロール、というか需要に対しての供給をコントロールすることは難しいだろう。そう考えれば、種を囲い込み、大規模化をさせることもなく、毎年メロンを生産するというのもわからないでもない。

しかし考え方を変えてみると、一度確立した夕張メロンの作り方をはみ出ることなく、ずっとそれを作り続けるしか、夕張メロンの生産には道はない、ということになるようにも思う。それは果たして、楽しい仕事なのだろうか。ずっと決まったものを繰り返す、それ自体は確かに市場で高く売れるものをつくる「付加価値の高い一次産業」なのかもしれないが、それを営む人はどう思っているのだろう。純粋に、そこが知りたい。
だが残念ながら今回の夕張の訪問ではその声を訊くことができなかった。次回への課題だ。

いずれにせよメロンは美味かった。それだけは間違いない。メロンを出してくださった方々に感謝である。

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*1 www.tabetayo.com