ギブギブン

1ヶ月毎日ブログ書く企画ではじめたブログです。

婚活パーティの衝撃【前編: 部屋の構造的な意味で】

前回のブログの続き。

意を決して、婚活パーティに行ってみた。

ネットには、不動産のプラットフォームよろしく、各社主催の婚活パーティ類をまとめて検索して申し込めるサイトがある。そこを使って、目的や条件、日にち、金額で検索して絞り込んで、参加する回を決めた。

男性の参加費用、ひとり4,000円也。
なお、女性は1,000円程度だった気がする。
価格差は…。
仕方ないね。
世の摂理なのだ(すべてではないにせよ)。

イベント当日は一応遅れないように会場に向かう。
つもりが、
電車に乗ったら間に合わないということが発覚して、自転車に乗ってダッシュで向かうのだった。
われながら、だらしねえな。

きれいなビルをエスカレータで上がると、その会場はあった。
受付にはキッチリとスーツを決めた女性が立っていて、訓練された感のある接客で受付をしてくれた。
歪みない感じだ。

身分証を確認される。申込した年齢の偽りがないかを見るのが主目的だ。

大きな荷物を預けて奥に行くと、そこには見たこともない構造が広がっていた。

f:id:startselect:20170922011412j:plain

衝撃。

この空間は何なのだ。
よくみると、ブース10個ほどに分かれていて、それぞれのブースには椅子が2つ並び、テーブルがくっついている。男女が隣り合って座れる形だ。

到着の時点で、男性だけ座っているブース、女性だけのブース、両方いるブース、誰もいないブースなど様々。あとでわかったのは、別に意図があってそうなっているわけではなく、ただ単純に到着した人を番号で割り振っているだけのようだった。

僕が入ったブースは誰もいなかった。机の上には、これが置かれていた。

f:id:startselect:20170922011440j:plain

プロフィール・カード。
(注: 企業名はぼかし加工した)

記入欄は、見て分かる通り率直に自分の情報を晒すことを求めてくる。

とはいえ、あとになって気づいたのだが、意外と空欄が多い人もいる(笑)。

【年収】は書きたくないから書かないのかもしれない。
【私と結婚したら◯◯約束します】は具体的すぎて言葉をイメージしづらいから書けないのかもしれない。

前回の記事で、ネットの出会いサービスはカタログスペックで弾かれるから悲惨だと書いた。
今回の婚活パーティについては、年収や学歴のスペックは関係なく参加はできるし、参加しても相手に伝えなくても成り立つは成り立つ。

これが発見である。

もちろん、結婚したいのならば、そこが秘密では関係は進まないので、隠さないほうが確率は上がるのは間違いないだろう。が、少なくても門前払いされないのは有り難みがある。
いくらネットやスマホが普及して情報が充分になっても、むしろ情報検索とフィルタリングが容易すぎるがゆえに起こる途絶がある。に対して、「とりあえず申し込んだら会える」ということの価値があるのは認めざるを得ない気がした。

話が脱線してしまった。

少し時間がたって、ぼくの隣にも女性が来た。
「こ、こんにちは〜」声が上ずって、ぎこちない挨拶が出た。
なんだかんだえらそうに言っといて、ぼくは雰囲気に飲まれているのであった。

そして先程のカッチリ決め決めな受付スタッフ女性が、時間の到来を告げてイベントの仕切りを始めた。
なるほど、受付兼司会をぜんぶ1人でこなすワンオペなのだとこの時点で気づいた。なかなか大変そうな気もするが、慣れたらなんでもないのかもしれない。

進行としてはかなりシンプルだ。

整理して書いてしまう。

まず参加者は上掲のプロフィールカードを全員書く。
そして、今隣同士で座っている男女でプロフィールカードを交換してそれを見ながら、5分ほど話をする。
時間が来ると司会が終了を案内する。会話が終わったら相手に見えないようにメモのカードに相手の印象を記入して、男性は席を立つ。となりのブースに移り、違う女性とまた話をする。

これを異性の人数だけ繰り返し(=参加した異性全員と話すことができる)、1ラウンド目が終わる。
そのあとで「誰ともう少し話してみたいか」という人の番号を第一印象カードで◯をつける。司会がそれをすべて集めて、「自分は誰から◯をつけてもらったか」というのを、そのカードに違う色のペンで◯をつける。それをそれぞれの参加者に返却する。

要するに「自分は誰に関心を持ったか」と「自分は誰から関心を持たれたか」の情報を重ねて見ることができる。
それをもって、2ラウンド目に入る、という次第だ。
2ラウンド目、やることは同じで、多少時間が短くなるが全員と話す。

最後、2ラウンド目が終わるとリクエストカードに第三希望までのお相手の希望を書き、それを司会が集めてマッチングさせ、「カップルの成立」した番号どうしを発表するのだ。

f:id:startselect:20170922013208j:plain

(注: 画像はイメージです)

というわけで長くなってきたので、まず1ラウンド目の感想から書きたい。

意外と普通に楽しく話せた。
思ったのは「婚活相手を見極めよう」とか「自分を売り込もう」とか思わないほうがいいな、というか、そもそも5分足らずだとそんなことは不可能だと思った。
確かにプロフィールに学歴や年齢、年収や結婚に対する考え方は書いてある。
けど、初対面だと顔や服装といった物理的な印象から受けるものと、話す、聞く態度の印象が占める割合が圧倒的に高い。
これは非常に面白いなと思って、上述のようにカタログスペックが不足している人でも、必ずしも減点法にならず加点法で評価してもらえることがありえると思う。
ただし逆にいうと、最低限の清潔感とかがないと門前払いは確定だし、あとは顔の好みとして絶対ムリ、とか、服のセンスが常軌を逸している、とかの物理要素でシャットアウトされるとも思う。

話しまくる人、ひたすら聞いてばかりの人がいるとして、それは必ずしもマイナスではないなとも。
結局は相性なので、しゃべりまくる話が面白いならそれを聞いて楽しいという人もいるだろうから。

ぼくは1ラウンド目で確か7人と話した。
面白いことに、話が弾む人と、まったく弾まない人がいる。
お互いに話す姿勢、聞く姿勢が間違っているという感じではない。誠意を持っても、相性というものはある。

そう気づくと気楽で、人との出会いや関係を深めるというのには、自分の学びと努力で改善していくべき部分もたくさんあれば、相性というか「そういうもの」と割り切ったほうがよいこともあるんだという話かなと。

作ろうとする関係にもよる。
仮に、ビジネスパートナーとして最高の相性を発揮する人と、結婚したらいいのかというと、全然そういうものではないわけで。

この1時間半ほどの、ぐるぐる席を動いて初対面の人と、新しい関係構築のための会話を繰り返すというものは、なかなか興味深い。

なお、1ラウンド目が終わるときに、司会は「必ずひとり以上◯をつけてください、何人につけてもいいです」と強く説明した。
それはそうだ。ここで◯がつかないと2ラウンド目が弾まない。し、顧客満足度にも影響してくる。
あとは人間の心理として。関心持てる人かどうか、悩んでも、◯をつけてしまえば、自分はその人に関心を持っているのだという自己認識がかかってくるので、結果的にその人を選んだ自分を肯定するために、その人の良いところを探そうという脳の働き方になるはずなのだ。

このへんの運営のオペレーションというか、ナレッジの蓄積と仕組みづくり、運用は大したものだと感心した。ふつーの合コンでは決して実現できない仕組みの妙、といえるだろう。
お金をしっかり取って事業をしているだけのことはある。

ぼくも3人に◯をつけてみた。
そして帰ってきた第一印象カードを見たら、2人から別の色の◯がついていた。その2人は、僕が◯をつけた3人のなかと重複していた。

なるほど、少ないサンプルではあるけど、自分が関心を持ったというのと、相手が関心を持ったというのは重複するのは発見であった。
たかだか5分程度でも、最初の会話で興味を持ち合うことは可能なのだ。

ある程度の量を用意して、短時間でもそれに対面してこそ、質というか、合うものが出てくる。
これは、アイデアの作り方などにも似ているなと思った。

2ラウンド目、そして、そこから先どうなったか。 次の記事で書きたい。

→後編はこちら。
婚活パーティの衝撃【後編: 比翼連理なる矛盾の発見】