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じみすご校閲ガールの緩急にズッキューン、つまり石原さとみに惚れる

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「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」というテレビドラマがある。(1) 「校閲ガール」という小説が原作。(2) 主演、石原さとみ
物語としては出版社の校閲部に配属された、しかし本人はファッション大好きでファッション雑誌編集部への異動を強く願い出ているという主人公河野悦子とその周りの人物のドラマを描いている。2016年秋の日テレで放送。いまはHuluなどで視聴可能。2週間は無料で見られるので、一気に見て解約すればお金はかからないのではと思う。 (*3)

私はリアルタイムでは見ていなかった(その頃は逃げ恥に夢中だったのだ!)のだが、最近友人に「石原さとみがかわいすぎて辛い」とこぼしたところ「校閲ガールこそ至上、すぐ見よ」と言われて、それは見ないとなーと思ってチェックしてみた。その結果、確かに石原さとみ氏はかわいいのだが、それにとどまらずドラマとしてもとてもおもしろかったので(まだ見てる途中だけど)軽く記事にしてみようと思ったのだ。

私の解釈では、このドラマは「会社仕事と恋愛を二軸中心においたドラマチック・コメディ」である。
河野悦子は、校閲部員なので、本来は原稿のチェックだけしているはず。なのだが、それではドラマにならないので(笑)持ち前の探究心と自分で解決しない気が済まない主義を発揮して、あらゆるところに顔を出し、足を運び、問題を起こしたり、それを解決したりして、エンターテインメントを巻き起こしていく。

なぜこれが面白いのかというと、私の考えでは「あきらかな虚構と現実っぽい部分の割合配分、そして見せ方が巧みだから」である。

もし本当に校閲部員が外に出なかったら、現実感は100%かもしれないが、ドラマとしては全く面白くない。しかしでは名探偵か超能力者のごとくになんでもかんでも自力で手柄を上げる話だとしたら、まったく現実味がない。そもそもなぜ校閲部なんていう設定にしたかの必要性が誰にも感じられなくなってしまう。
したがってこのドラマでは「校閲部なんだけど、そこからほどよくはみ出る」演出にして、結果的に「リアリティ」あるドラマ感を紡ぎ出している。

このリアリティを支えているのが、俳優陣のデフォルメがよく効いた(しかし過剰と感じさせない)演技であり、とりわけ石原さとみの好演なのだ。何が良い演技と認識させるのか? それは無茶な設定を飲み込んで、そのままリアリティの側に引き寄せていってしまうほどの「演技のテンションの緩急」にある。

たとえばいやみな社員に激昂するときには信じられない早口で事実をマシンガンのように打ち込んでみたりしつつ、好きになった男の子の前ではかわいく見せようとしつつ挙動不審さが出てしまう間抜けな感じの演技を見事に使い分けている。これは実際我々が人付き合いを考えてみれば当然で、相手と状況によって話し方や使う言葉も全然変わってくるはずだ。それをドラマの中では緩急を特に中心にして、違和感なく世界観を構築していってしまう。

また演出の妙として、「ファッションの緩急」もこのドラマのリアリティ構築には欠かせない。地味な校閲部員の藤岩さんは普段は10年ものの古いスーツに身を包んでいるが、実はずっと大ファンだった四条先生の待ち会では、河野悦子の手助けを受けてメイクして派手なドレスを身にまとい、感情の高まりと解放を心から楽しむのだった。また、叩き上げで登りつめた伝説のスタイリストであるフロイライン登紀子は、最初は無駄を嫌う高飛車な人物に見える描かれ方をするが、河野悦子や編集部森尾の本気の努力を認めて、最後にはなぜかダサい漢字Tシャツを着て楽しんだ写真を校閲たちにメールしてくる。これもまた、トップスタイリストが仕事の中身は違えどプロだと認めた相手を信頼して、違う自分の側面を衣服を通して見せることで関係が構築されたことを伝える演出である。
トップスタイリストがダサいTシャツを着る姿を見せるのは現実ではないかもしれない。が、だからそこ物語の中でリアリティを感じさせて、見る者を思わずニヤッとさせてしまうのだ。

さて私自身はファッションに興味は薄いし、ただ石原さとみ氏が好きなだけで見始めたわけだが、文字を綴るのは好きで、校閲という仕事もなんとなく響きだけは知っていて少し関心は持っていた。それがこのドラマを通してなんとなく知識を得られて、とっても見て良かったなーと思っている(まだ途中だけど)。
そして面白いことに校閲もそうだけど、女性ファッション誌というビジネスにも興味が湧いてきた。
長くなったので、これは次の記事にしよう。

いや、しかしね、石原さとみは悶えるほどキュート。

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*1

www.ntv.co.jp

*2 校閲ガール (角川文庫) Kindle版

*3 地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子 が見放題! | Hulu(フールー) 【お試し無料】