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RPGでモンスターを倒してお金を得ることについて考える

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ドラゴンクエストなどのゲームをプレイしていると、モンスターを倒すことで経験値とお金を得ることができる。経験値はプレイヤーの強さ(レベル)アップに直結し、お金はそれによって新たな装備や道具を買うことに使うことができる。

だが、なぜモンスターはお金を持っているのか。 これについて考えるとき、実は2つの全く異なる問いの解釈が成立することを前提にする必要がある。

1つめの解釈は「プレイするゲームとして見たときになぜモンスターを倒したときにお金を得ることができる仕組みにしているのか」である。 2つめの解釈は「ゲームの世界観を考えたときに、なぜモンスターが倒されるとお金を出すということが起きる形にしているのか」である。 要するに、1つめは「プレイ体験」の話で、2つめは「世界観」の話だ。

プレイ体験を考えると、プレイヤーにとってのゲームをしての苦しさ、楽しさ、積み重ねで思ったときに、苦しいこと(=ザコ敵との戦闘)に対するご褒美として何をもらうことができれば、それを続けたくなるか、という体験のデザインの話になるだろう。 このあたり、詳しくは玉樹真一郎さんの「つい」という本を読んでもらうほうが私の適当な説明よりはるかに有意義なのでそちらに譲るとして。

amzn.to

とはいえちょっと考えてみると、モンスターを倒してもらえるものが経験値だけよりも、お金ももらえたほうが、ザコ敵を倒すインセンティブは増える、ということは言えそうだ。 お金が貯れば、次の街で強い武器が買える。それはプレイヤーにとって喜びの体験になる。したがって、ザコ敵を倒して小銭を稼ぐことにも意味が出てくる。

次に世界観のほうだが、プレイヤーがモンスターから得られるお金については「モンスターが所持していたお金を奪う」という行為の結果という解釈と、実はもう1つ「モンスターがお金に変換された」という現象が発生した結果という解釈も持ち得る。 自然な印象としては前者になるが、その解釈に立つと、「モンスターがお金を持ち歩く理由はなにか?」というさらに別の問いが浮かんでくる。ゲーム世界のお金が、人間(プレイヤーたちを含めた)社会だけで通じるものであり、モンスターたちに貨幣利用概念がないなら、お金を持ち歩く意味がない。ほかの人間の冒険者を倒して奪ったお金なのだろうか?たとえば現実世界でカラスが光るものを集めるように、モンスターはお金を単に光るものとして集めるのだろうか。 後者の解釈で、モンスターがお金に変換されるとしたら?実はこれが一番整合するかもしれない。どういう理由かはわからないが、倒されたモンスターはふしぎな力によって、お金(あるいはお金の等価物?)に変換される。なんなら、形の見えない何かが蓄積されるような形だったりするのだろうか? ひょっとすると、プレイヤーたちがモンスターを倒して得ているお金というのは、電子マネーのようなものなのかもしれない。