ギブギブン

1ヶ月毎日ブログ書く企画ではじめたブログです。

スーパーマリオランを口述音声入力しつつプレイするとこうなる。

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今日は何を書こうかと思ったがネタが思いつかないので今日 iOS でローンチされたスーパーマリオランの口述音声入力のブログを書こうと思う。 (*1)

利用規約をざっと読んだところ画面中のキャプチャーなどを写真や映像としてアップロードすることはよろしくない可能性があった。しかしどうやって体験した様子を伝えようかと思ったのだが今から iPhoneスーパーマリオランをプレイするのと同時に Android を使って音声認識入力で その様子を喋って記録していこうと思う。 安全策を取って写真はフィギュアである。

なおすでにこのブログは本日音声入力でほとんど書いている。お見苦しい点はご了承ください。

とりあえずスーパーマリオランをインストールして最初のチュートリアルが終わって最初のステージデータのダウンロードが終わったようである。画面ではキノピオがこんなことを言っている。
「大変です。ピーチ姫がクッパにさらわれました。キノピオはみんな逃げ出してお城もめちゃくちゃ。どうすればいいのでしょう?」
またかよ。またさらわれたのかよ、ピーチ姫。もう完全にコンビ芸だろ、クッパとの。そしてキノピオって一人じゃなかったんだ。いっぱいいたんだ、知らなかった。
次に行こう OK。

ワールドツアーってなんだワールドツアーとは。
キノピオが、「ピーチ姫がクッパ城に捕まってるはずです、早く助け出してください。お願いします」とのたまうが、それは知ってるよ。

ワールド1-1を選んで、ハイ、スタート。飛んで登って乗り越えて動いた動いたキノコが出た。なるほど、小さい段差は、便利なことに何もしなくても、あの クリボー程度だったらば 何もしなくても 乗り越えてくれるんだな。でも一時停止ブロックに乗ると止まるんだ。一応、このゲームは制限時間があるんですね。なるほど。ゴールの旗を掴み損ねた。コースクリア聞き覚えのある音楽が流れましたね。なるほど 倒した敵の数がクリアすると発表されるわけですね。

1-2に進めます。やっぱり地下ステージなんですかね。
戻れない。コインがいっぱい取れる。ご存知の方も多いかもしれませんけどスーパーマリオランは勝手に前に進むんで 、ほぼ何もしない。壁をキックしても、戻れないのは割とストレスフルな気もしますけどね。
滑り降りて 雑魚を蹴散らす。これはいつも同じですね。後ろへ戻れないから、これどうしようもないじゃん。進むしかない。なんかもうから後ろから見えない力で押し流されてる人って感じですね、このマリオ。
ドカン入ってしまうどうしようと、いやあ、壁を蹴って忍者のように進んでいくわけですけども。1回のコースのプレイでピンクコインを5枚全て集めると新しいカラーコインの配置で遊べるようになります とのこと。

続いては1-3。ここは空中が多いですね。めんどくさいパターンですね。いやーこれ絶対死ぬパターンですね。デカキノコが取れた。今んとこまだ死んでませんけど。
なんか明らかに敵に当たりそうで当たらないこの感じが強いですね。加速したかと、加速したわけじゃないのかが、よくわからない。やっぱりずっと動きっぱなし、っていうこの微妙な操作感覚がどうしても慣れないっすね。落ちそうになっても壁キックができるから意外と死なない。 あっ、死んだ。死んでも、こうバブルになって戻るだけなんですね。ぬるいですね。いいけど。このステージ意外と簡単に終わりました。落っこちても、死んだことにならないのはいいんだか悪いんだかって感じですね。

さあワールド1最後のお城ステージに入ります。1-4以降プレイするには、ワールドの購入が必要です。1200円で買えと。全6ワールド購入1200円。ちょっとここで買うのは厳しいですね。特定商取引法に基づく表示を見ます。返金はお受けできません。そらそうですよね。私本日はここでプレイするのをやめます。ありがとうございました。

ということで開始数分で1200円のロック解除を要求されたので止めてしまた。そういう人がどれくらいいるのだろう。


*1 supermariorun.com

みくりさん、というかガッキーを嫁にできるエンジニアには、もっと高みを目指していただきたい

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うわあああ!
今週の逃げ恥、第10話、見ましたか!!

えっ、見てない! だめだめだめ! 早く見ないと!
TBSのサイトで12/20までは無料で見られるらしいので見ておきましょう! (*1)

もうね、今週の内容はヤバイ。何がヤバイって、みくりさんがかわいすぎる。みくりさんというのはもちろんガッキーこと新垣結衣さん演じるヒロイン。
もうね、この萌えるヒロインが、主人公の津崎平匡と…うわあもうこれ以上はだめだ!ネタバレになるのもあるけど、もうそういう次元ではない。

「いちゃいちゃしないの?」ですと...?
ぐぬぬぬー! けしからん!

っていうか、なんでいつの間にか、プロの独身のはずの平匡さん、あんなにクオリティ高いレストランにちゃんと彼女をエスコートできちゃってるんですか! そんなスペックあなた最初まったく持っていなかったですよね! あれはフリなのか?

いや。優秀なソフトウェア・エンジニアというのは、恋愛関係の進展の過程でおきるイベントに対しても系統立てて理解し(だいぶググった上で)、学習して、理論的に相手が喜ぶ最適解というのを導き出してプログラムに落とし込んで、行動できると。そういうことなんだろうか!
だとすると、すごいわ。ほんますごいわ平匡さん。わい、完敗や。 って、いったい私は誰と戦っているんだ。フィクションやぞ。

しかし…! とにもかくにも、ひらまさうらやま!

でも、ソフトウェアエンジニアをそういう文脈で描くことができるフィクションが、いま日本でブレイクしているというのを冷静に考えよう。一瞬冷静に。
よのなかにウケる作品が、正しく時代の風、産業のトレンドを捉えているということなので、これは好意的に評価したいなーって思う。

そもそも日本国内で「ヒットした」恋愛ものドラマで、ソフトウェアエンジニアが主人公のものなんてほとんどなかったんじゃないか。ググってないから分からないけど。

もうね、GoogleFacebookAppleMicrosoftAmazonAirbnbUberも、この世界を爆速でドライブさせる企業の中核にあるのは圧倒的にソフトウェアのパワーなのだよ。そしてそれを作っているのが、超優秀なソフトウェア・エンジニアたちなのだ。彼らなしではもう世界は回らない。不可逆な世界にとっくに突入している。世界を変えるのはソフトウェアだ。
物流とか住居とかのドラスティックな変革も、結局全部ソフトウェア・パワーの上に築かれるもんだからね。

すり合わせのものづくり時代が終焉し、ソフトウェア主導の世界経済に置いていかれることが確定気味の日本国民に、「ソフトウェア・エンジニアはガッキーを嫁にできる」という錯覚、いや幻想を甘いチョコレート包みにしてクリスマス前の心締め付けられる12月の寒空に振りまいてくれた逃げ恥のドラマ制作チームに対して、喝采を送りたい。

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とはいえ、ドラマを見ていると、平匡さんが勤める会社が作っているソフトは、どう見ても数十年前からビジネスモデルが変わらないシステムインテグレータでの業務用アプリケーションの受注開発なので、上述したようなITベンチャーではないことは留意したい。
作中で開発プロジェクトが何度も炎上しかかって、平匡さんもデスマーチというかなんというか、泊り込み無茶仕事などひどい目にあっているのを見ると、オールドタイプのエコノミーにロックインされている悲哀を感じる。
本作を見ても、視聴者のソフトウェア・エンジニアの働き方に対する誤解は残ったままかもしれないが、それの変革は次の何かの作品のブームを待つことにしよう。

ということで、転職志願中の津崎くん、もし君がそこまでエンジニアとして優秀なら、みくりと一緒にアメリカにわたって、サンフランシスコのITメガベンチャー企業で働くことにチャレンジしないか! 君ならできる! かもしれないぞ。 (*2)

会社の買収に伴って、優秀ゆえに高給取りだからという理由でリストラ対象になってしまった彼だが、アメリカでソフトウェア・エンジニアとして能力を認められれば、分からないけど上手くいけば今の2倍くらいの年収になるんじゃないでしょうか。もっとも、生活費も高いので、給料の多さだけを求めていくと辛いことも多いと思うけれど、ソフトウェア・エンジニアが高い社会的地位を持ち、やりがいを得られるホワイトな環境で働くのも、ぜひ御一考ください。 (*3)

このドラマの人気ということに話を戻す。
おもしろいデータがある。この第10話の総合視聴率は30%らしい!
総合視聴率というのは、私は初めて聞いた言葉だった。録画が当たり前、テレビの前に座らない時代のスタンダードでおもしろい。

タイムシフト視聴率は、録画しておいた番組を7日内(168時間内)に見たタイムシフト視聴の指標、総合視聴率はリアルタイム視聴とタイムシフト視聴のいずれかでの視聴を示す指標のこと。重複視聴分は除かれる。

(*4)

だそうな。よしよし、今日はこれだけ覚えておけばよかろう!
そもそも、オンデマンドで見ている視聴者ってのは総合視聴率に入らないわけだよね? そうなると、実数基準でいくともっと視聴率って高まるの? 教えて詳しい人!

最後に。
ネタバレにならない程度に触れると、この第10話をとおして重要だった概念は「搾取」だと思われます。見た人は割と同意していただけるのでは。
やりがいの搾取。愛情の搾取。色々と、搾取にも種類があるということが提唱されたわけだが、これは今回のブログ企画で数日前に連作で書いた「ギバー論」に通じるものがありそうに感じる。ということで「おれの時代が来た!」という錯覚に基づいて、近日深掘り予定。
期待せずにお待ちください!

だがしかし! ガッキーに「いちゃいちゃしないの?」と言ってもらえるなら、なんでもよくないか?


*1 www.tbs.co.jp

*2 qiita.com

*3 blog.techstars.jp

*4 mainichi.jp

ピボットよさらば

前回ピボットは選ぶのは心理的に楽だが、実際道のりは厳しいのではないかと書いた。それはなぜかということを書きたい。

起業家が課題解決を志すとき、そこには並々ならぬ強い情熱があることが多い。しかしそれではビジネスにならなそうだと気づいてしまったときに、諦めることは逆に難しいものだ。自分は金のためではなく、志のために事業を始めるのだ、と思うのであれば、尚の事、心理的な矛盾に戦わなくてはいけない。ただでさえ事業の未来が閉じようとする中、それは大変辛いことである。

そこで、選択肢に、撤収でもなく仕切り直しでもなく、ピボットというものがあると知ったらどうだろうか。最初の志を残したまま、課題と顧客に対するアプローチを変えればよいのだ、と思うことが出来れば、つらい状況から避難することができる。いわば、挫折寸前の起業家に対するシェルターのような立ち位置に見えるのだ。

だが、このようなピボットは大抵の場合は、選んでからの苦労が尋常ではないように思える。なぜかというと、ピボットをするときの「残す足」に大きな問題があるからだ。

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前回貼ったコービー・ブライアントのバスケ動画を思い出していただきたい。コービーがなぜ軸足を残し、片足しか自由に動かせないピボットという状況で、何歩でも歩いてよい有利なディフェンダーを振り切ってシュートを打つことができるのか?
鶏と卵のような答えになってしまうが、「シュートを打って得点するという目的地を明確に描いているから」だと私は考えている。 これが、不安に満ちて相手のディフェンダーへの恐れがあれば、軸足を残して制約された動きの中では手も足も出ないように封じ込められてしまってもおかしくはない。しかし、必ず最後自分で得点してチームを引っ張るのだという強い思いと自信があるから、相手はつい気圧されてシュートを打つ隙を作ってしまう。

これはスタートアップのフェーズにも通じる教訓だ。
「課題がズレているのに、肝心の課題に手をつけずに、いじりやすく見えてしまう箇所に手を入れてしまう」または「課題のズレを直そうにも、0から作るよりも変更のほうが楽だと思う」結果、本質的な敗因分析をすっ飛ばして行動に移ってしまい、適切な変化の幅を稼ぐことができていないのではないか。

撤収と仕切り直しは、今のプロダクトを諦めることができれば、そこまで辛くはない。最初の何十時間かだけの明白な損失が出れば、そこさえ頭をスッキリさせれば良い。しかしこれがイケてないピボットになってしまうと、志が残っているように見える結果、半端なマーケット・プロダクトのフィットに奔走してしまい、よりいっそう時間がかかり、チームメンバーのモチベーションも落ちてくる。それまでに投入した時間、エネルギー、費用そして自分の情熱に引き摺られてしまうこと。これは、駄目なピボットに至りそうなケースだ。

一方で上手くいきそうなピボットというのは、なぜそれを行うことで自分たちが最重要と考える指標の伸びが起こると考えられるかを事前にある程度筋道立てて説明できそうな場合ではないだろうか。
そのようなピボットのシナリオを描くうえで参考になるのがピボットピラミッドの考え方だ。 (*1)

私もさっき検索して見つけて読んで納得したばかりなのだが(笑)平たくいうと、顧客→課題→ソリューション→テクノロジー→グロースの順に下から積み上がる構成であり、この順番は動かせないということだ。すなわち顧客をピボットしてしまうことは残りすべてをガラガラと崩して作り変えることを意味している。
この考え方を使えば、適切なピボットを行うための思考整理に役立つだろう。

バスケットボールのピボットは、熟練したプレイヤーが「ゴールへのプロセス」の中で無意識で選択するプレイである。
だが事業におけるピボットは、なぜピボットを選ぶべきかを筋道立てて説明することが必要になってくる。
言葉に引っ張られず、感情に引っ張られず、あくまでフラットな選択肢の1つとしてピボットを扱うことが大事に思う。

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最後に、突然だが、とても大事なはなし。

実は、恋愛にも、このピボット理論が見事に当てはまる。

私はこの定理について真に驚くべき証明を発見したが、ここに記すには余白が狭すぎる。 (*2)


(*1) 500startups.jp

(*2) izquotes.com

フェルマーの余白芸に引っ掛けたジョークである。

ピボットの冒険

スタートアップな妄想を鍛える遊び。

まず、あなたの胸の内には、なんとかしたい!と思う社会の課題がある、という仮定で、話を始めたい。
そんなものない、と思った方も、ぜひなんとかそう言わず、1つでいいのでひねり出していただけないだろうか。

さて、では自分がとりくむべき課題を見つけたとして。
その課題を解決するためにビジネスを立ち上げる決意を固めたとしましょう。

実際に困っている人を見つけてきて、なぜ、どのように困っているかを調べることから始めるのが大事、と考えたあなたは、それに手をつけることにした。
そして、インタビューや観察など、さまざまな方法を使って、困りごとを特定することができた。さらに、それを解決できうる、とあなたが信じるサービスやモノのコンセプトが描けたとする。 ここまでは順調。

ついに、コンセプトに基づいた、サービスやモノの試作品ができた!
さあ、お客さんに使ってもらうぞ! もう、興奮が止まらない!

と、あふれるようなワクワクで進んできたとして、しかしここでとんでもない壁にあなたは当たってしまう。
試作品をお客さんに持っていって得たフィードバックによって、それで解決しようとした課題が、「あれ、本当に解決の必要な課題じゃなかった」ということに気づいてしまった。またあるいはは、「解決しようとしてもビジネスとしてまるで成り立っていかない」と気づいてしまった。

そのとき。あなたは、今までの苦労はなんだったんだろう、と思ってしまうかもしれないし、いやいや失敗によって学びを得たのだからこれでよかった、と思うかもしれない。
だがいずれにしても、どうやら最初に進もうとした道のそのまま延長線にビジネスを作っていくことはできない、という確信を持ってしまった。

ここで何をするか。
とるべき道は3つあると思われる。 (*1)

1つめは、ビジネス立ち上げそのものをあきらめること(=撤収)。
2つめは、作りかけのビジネスを捨て、まるで違う課題を見つけきてて、改めてビジネスを立ち上げること(=仕切り直し)。
3つめは、作りかけのビジネスの「プロダクトとマーケットのフィットに問題がある」と考えて、そこを変えてみること。

そして、3つめを、事業立ち上げを志向する人たちの中では「ピボット」と呼んでいる。というのが私の理解である。

この撤収、仕切り直し、ピボットの3つの中で、あなたはどれを選ぶだろうか。
もちろん、現時点での認識によって、どれを選ぶかというのもまるで変わってくるものであり、正解も何もないのだけれど。

たぶん、ピボットを選ぶことは、感情としてはもっとも辛くない、という気がしている。
しかしながら、実際に決断したあとでは、ピボットがもっともたいへんな道のりになるとも思う。

なぜそう思うか、というのは次回に。

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補足。
スタートアップにおける「ピボット」ということばは、バスケットボールのプレイ技術に由来する。ボールを保持したプレイヤーが軸足を固定しつつ、その場でもう一方の足を動かして、次のプレイに繋げるためのスキルである。
バスケットボールのプレイ動画を貼りたい。先日引退したコービー・ブライアントというバスケットボール選手のピボットからのシュートシーン。人間離れしていてよく分からない(笑)。トラベリングに思うかもしれないが、れっきとしたピボットだ。

www.youtube.com


(*1) blog.ponpon.jp

あの日見た水のくじ当選の意味を僕たちはまだ知らない

今、ファミリーマートの2リットルの水のペットボトルについている、当たればお菓子がもらえるくじ。私の中での通称は、水のくじ。

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当たった...!!
6回めのくじで、ついに当選を引き当てた。

先日の記事で、私が立てた当選確率の予測は10%程というものだった。
外れる確率、90%として、6回連続で外し続ける確率は計算すると53%になる。 したがって、そろそろ当たってもいいよね(50%前後をそろそろ当たってもいいだろうラインと勝手に決めた)となんとなく思っていたところで、無事に当選した。

当選確率10%という推測はそんなにズレてない気はする。
ということは、10%程度当たってほしい施策上の理由があるわけだが。

このキャンペーンの狙いについて、先日書いた記事での予想は「Famiポート端末の認知拡大」だとしたが先程、当たりくじを見ていて、もう1つの可能性に気づいた。

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ひょっとして、これは、ファミリーマートサークルK・サンクスの店舗統合をスムーズに進めるための「店員の練習機会づくり」なのではないだろうか。特に、サークルK・サンクスの店員に対しての。

ファミリーマートユニーは2016年9月1日をもって経営統合した。そして、コンビニブランドとしては、ファミリーマートと、ユニー傘下のサークルK・サンクスは将来的な統合が予定されている。基本的には、その3つのブランドの中では最大店舗数を誇るファミリーマートに吸収されるかたちになる。 (*1)

コンビニの統合というのは、調べてみると、ただ単純に看板を架け替えて、外装と内装を変えれば良いという単純なものではないようだ。店舗オーナーとしては、特にこれまで上手くいっていたのであれば尚の事、運営方式や商品展開が変わることに強い不安を抱くこともあるらしい。 (*2)

特に、コンビニで各種決済や通販の受取などの複雑な業務をカバーする場合において、本部の会社が入れ替わると、現場オペレーションとしては0から教育のし直しなどに大きくコストがかかることが予測される。それは短い時間で入れ替えられるものでもないのでは、と想像する。

そこで、今回の「100円の水を買ったら100円のお菓子がもらえる、ただし当選しても店頭の電子端末を利用しないといけない」というキャンペーンを早目に打ってみたら何が起こるか。
たった100円程度の景品なので、店員はさほどプレッシャーもなく、客の質問に答えたり、端末から発行した当選チケットのレジオペレーションしたりできる。 おそらく基盤システムがファミリーマート側に統合されるであろう中で、ファミリーマート基準オペレーションを実践で習得する機会が生まれるわけだ。 もちろん、サークルKサンクスを利用する消費者がファミリーマートの仕組みに慣れるために、ということも副次的な狙いとしてはありそうだけれど。

この推測が正しい場合、最大の受益者は、消費者やバイトの店員ではなく、統合される店舗の経営サイド、ならびに各店フランチャイズ・オーナーに思われる。

さて、この推測は当たっているのかどうか。残念ながらファミリーマートの中の人ではないので分からない。
だが、くじの写真を見る限り、ご丁寧にサークルKサンクス店舗での当選くじチケット出力の方法が書いてあるのを見ると、そこまで外れてもいない気もする。


(*1) サンクスなどファミリーマートに統合へ…セブン-イレブンを打倒できるか - ライブドアニュース

(*2) ファミマとサークルKサンクス統合がオーナー達に与える影響

病める時も健やかなる時もプロは逃げない

今日、Startup Weekend Tokyo Fintech API (*1)に参加した。
Startup Weekendは週末の54時間を使って起業プロセスを経験するスタートアップ・カルチャーのコミュニティ・イベントである。
参加者はチームを組んで54時間の間に顧客課題を探し出し検証実行してくる。それを起業家を中心とした審査員が審査する。今回のStartup WeekendはFintech にテーマが限定されており、会計や金融の課題を技術で解決するスタートアップがテーマだ。

最終のチーム・ピッチのフェーズでの、ある審査員のプロとアマの違いについてのコメントが面白かった。その方は、トレーディングのプロフェショナルとしての経験がある。彼が見る、プロのトレーダーとアマチュアのトレーダーの違いとは何か。

「プロフェショナルとアマチュアの最大の違い。それは、トレードがうまくいかなかったときに顕著に出る。プロは、うまくいかなかったときにも、その失敗を客観的に見て、自分が感情的に見たくない情報も受け取って、それを評価して、振り返ることができる。アマは、うまくいったときにはSNSで発信したりするが、うまくいかなかったときには黙ってしまい、自分の感情的に見たくない情報を見ることがない。自分の都合の良い情報だけを見てしまう。客観的な失敗分析ができない。」

なるほど。

プロのトレーダーとはいえ、個々のトレードにおいては、損を出してしまうこともある。100%勝てるわけではない。だが損を出した時にそこから目をそむけては、学びの機会を失ってしまう。

トレードがうまくいってプラスの結果が出た時に喜ぶのは、誰でもできる。それは、人間の感情そのものだ。承認されたくて、自慢したくて、それを喧伝する行動をとりたくなる。
一方で、うまくいかなかったとき、悪い結果が出たときにそれを受け止めるというのは、感情のしくみからすると、とてもむずかしい。過去の自分の選択が誤っていたことを、認めなくてはならない。

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人生で一回きりの「お遊び」として株を買いました、という人ならば、売買で損を出しても、儲けても、結果を振り返らなくてよいだろう。あくまで、その人にとってのトレードとは、人生におけるたった1つの点である。

しかし売買を続けるならば、行動結果は点にとどまらず、点と点を繋いだ線になっていく。損得はトレードを繰り返した結果の蓄積として、継続的に評価すべきものとなる。
通算の損益を改善するには、地味なようだが、個々の失敗を正視し、振り返り、学習を次の行動に反映させる。この繰り返ししかない。だが、その重要性は頭で分かっているけれども、なかなか実行はできない。
これは、トレードに限らず、うれしい結果 vs つらい結果がどちらも出てくるものを何か続けるならば、だいたい当てはまるのではないか。

気持ちが邪魔をして、失敗を認めることができないのは、人の性である。これには、人間の思考の仕組みに、ダニエル・カーネマンが唱える「速い思考(システム1)」と「遅い思考(システム2)」と2種類あることが関係している。 (*2)

システム1は、悪いものを目にしたら、すぐにそれから逃避し、生存することを優先する即断即決の思考だ。対して、システム2は経験と学びを消化して行う熟慮の思考だ。
トレードをするたびに、良い結果をただ喜び、悪い結果のときに目をつぶってしまうのは、まさにシステム1のみを使い続け、学びを得られていない。これでは、何度も同じ失敗を繰り返し続けることになる。だが、もし良い結果も悪い結果も、システム1の「感情の自動運転」に引きずられず、トレードの勝因または敗因を分析して、適切な学びを得ることができれば、次に行うトレードの結果が良い方向に進む確率が上がるはずだ。そのわずかな確率の差の積み重ねが作れるかどうか。ここが、プロとアマを分ける要因なのだろう。

失敗を正視して、感情の直感的反応をコントロールしながら得る学び。これを心に刻みつけて次以降のアクションを修正することで、だんだんとシステム1の自動運転の質を高めていく方策を私たちは持っている(システム1を排除することはできない)。

私自身は最近ほとんど投資をしなくなってしまったのだが、もし再開するときには、システム2を強く意識して、悪い結果が出ても逃げないで学ぶことを忘れずにいたい。 そしてこれは、トレードに限ることでなく、人との付き合い方にも当てはまる気がしている。

 

(*1) swtokyo.doorkeeper.jp

(*2) funiyanma.hatenablog.com

   

結局最後は赤ちゃんイノベーションに行き着いた

前回、「血縁関係に関わらず、ギバーとして接する相手としての赤ちゃん」が持つ力がある、という説を述べた。これを説明しつつ、今日の記事をもって、「赤ちゃんはすごい」シリーズを終えたい。

人が深く付き合うことのできる数は150人程度であるという学説がある。これは文化人類学者ロビン・ダンバーが、人間の大脳皮質の大きさをもとに推定した数字だが、歴史的に見ても、産業革命以前の集団は多くが150人程度が上限だったようである。 (*1)

この説に沿うとして、では150人の集団はどういう構成だったのか。
血縁関係にある者とそうでない者がおり、かつ年齢分布としては赤ちゃんから壮年くらいにまで渡っていたと思う。今の日本の年齢構成よりははるかに若年層比率は高かっただろう。かつては平均寿命がもっと短かった。
150人程度のグループは、過酷な環境に適応して生活を支え合うために、血縁関係にとどまらずに、かなり深く助け合って生き延びていたのではないかと思われる。

今回の赤ちゃんという切り口でまとめると、「赤ちゃんが身近にいて、それを皆で育てる」集団だったとも言える。
グループ構成員の視点からすると、その人の成長のどの段階でも、常に赤ちゃんがいるのだ。血縁関係の有無を問わずに。集団が生き延びるには、血縁関係を越えた深い助け合いが必要であり、その最も助けが必要な存在として赤ちゃんがいる。

だいたい何が言いたいか分かっていただけたと思う。その時代の人々は、成長プロセスを通じて、他人の赤ちゃんの世話を経験したことで、自然と見返りを求めないギバーの振る舞いが身についたのではないか?

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少し視点を変えて、子育てではなく、高齢者の介護のことを考えてみたい。

高齢者介護がどうして辛くなることが多いか、というのは、それが「自己犠牲のギバーのふるまい」になっていくからではないだろうか。
決してリターンがないから、ということではない。そもそも短期的リターンを求めるのはギバーではないからだ。 (*2)

介護においては、相手の助けになった、という実感と満足を得ることが、赤ちゃんの面倒を見ることに比べると難しい。
そもそも高齢者の介護とは、人類が進化して人間社会が発展するプロセスで、寿命が伸びたことで生じた社会課題であろう。かつては、健康を失えば、あとはまもなく死が待っていた。
そこが変わってしまったことの良し悪しを今述べるつもりはない。だが、根本的にそれを乗り切る仕組みを人間は内部に持ち合わせていないとは考えている。暴論を展開したいわけではない。しかし仕組みとして人類のマインドセットと社会構造的な難しさがあることは認めてはいいはず、とは思う。

いずれにせよ、介護もテイカーの精神では成り立たない。何も短期リターンはないからだ。テイカー精神で唯一成り立つのは、金銭報酬を得る仕事、という明確なリターンがあるとき、ということになる。だが、もし私が真のテイカーなら、苦労に見合う報酬をもらえるかどうかを重視するだろう。そう思った時に日本の介護産業の給与水準が低い以上、テイカーもやって来ない。
ギバーの精神を発揮するなら、人が少ない中で激務に追われ、自己犠牲で消耗していく。これが日本の家庭における介護、ならび介護業界に起きていることのひとつではと感じている。


さて赤ちゃんとギバーの話にもどす。
コミュニティの中で、自然と赤ちゃんの面倒を見続けて、元来持つギバーの素質が開花して、人はギバーになっていくとして、それこそまさに「イノベーションの源泉」なのだと思う。なぜか。

イノベーションは、短期的リターンを目指して起こせるものではないからだ。
現在の状態と不連続な飛躍を果たすことでイノベーションが達成される以上、ごく近い未来の時間でのリターンしか考えられないテイカー的発想では、長期的な変革の下地を育てることができないということになる。
見返りを求めないギバーが、コミュニティの内外で様々な人と繋がって、助けることで、社会全体に、長期的な変化の下地がじわじわと作られていく。
そして、科学的発見や、技術開発、市場への優れたプロダクトの投入、普及といったプロセスがその下地のうえに発生していくことが、イノベーションだと考えている。

例を出そう。
Webに代表される、20世紀後半から現在にいたる「情報の革新」は、多くのギバーに支えられている。テイカー的発想で作られた技術やプロダクトよりも、ギバーたちが生み出したもののほうがはるかに重要で、長く使われている。たとえばオープンソース開発で生み出されたLinuxApacheといったソフトは、何十年に渡り世界のエンジニアたちによって開発とメンテナンスが続けられている。そして商用非商用を問わず、世界で今なお使い続けられている。
エンジニアたちがテイカーだったら、オープンソースで、無償で作り続ける仕組みは成り立たなかった。
いま、テイカー型のマインドセットで仕事をしている人も、世界を動かすテクノロジーとプロダクトのコアは、多くのギバーに支えられていることを知るべきであろう。

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結論、何が言いたいか。
赤ちゃんをみんなで育てる文化を高く評価して、それが実現される社会を作るのがめちゃくちゃ大事で、それがイノベーションを生む土壌の原点にあるはずだ!

日本ではほとんどなくなってしまったけれど、ベトナムなどの発展途上国に行けば、おんぶ紐をつけて小さい弟妹の世話をしている子どもの姿も普通に見られます。人間の子育てでは、複数の手のかかる子どもたちをみんなが協力して育てるんです

(*3)

京都大学霊長類研究所松沢哲郎氏のこの言葉が重い。

たぶん、現代日本は、赤ちゃんとお母さんにとっては、150人の集団みんなで子育てをしてくれた時代よりも、「子育て」という意味では辛い時代なのではないか。
社会の「発展」が必ずしも、全局面、全員にとっての幸福度の上昇を達成しているとは思わない。

仮にそうだとして、「仕方ない」で済ませて良いのだろうか?
結局、そういう社会には、未来は来ない気がしている。

日本の出生率が下がってるから、子どもを持つのが推奨されるとか、そういう国策的発想は一切いらない。
もし自分が親になったのであれば、自己犠牲型ギバーにならないよう、コミュニティの力を借りて楽しく子育てできる方法を探していけばいい。
もし親になることなく生きていくとしても、赤ちゃんの面倒を見ることを引き受けるとか、そうはしなくても子育てする人への共感を持ってそういう態度をとるだけでも、ギバー精神を改めて自分の中に見出せるはず。

それこそが、回り回っての、自分の幸せ、みんなの幸せ、未来の幸せを作る。


(*1) techwave.jp

(*2) mirai.doda.jp

(*3) チンパンジー研究で分かった人間の子育ての本質〜松沢哲郎氏に聞く | eduview