ギブギブン

1ヶ月毎日ブログ書く企画ではじめたブログです。

Facebook メッセンジャーのリアクション絵文字がカスタマイズできた話

友人とFacebookメッセンジャーでやりとりしていたところ、ふと予想もつかないメッセージが送られてきた。

「めっちゃ怒ってますよw」

え?なんのこと?別の人に誤送信したの?と混乱していたら、説明してくれた。

「あるあると思いますが、スタンプが怒りマークでしたw」

f:id:startselect:20211213233859p:plain

あー、なるほど。メッセージに対してつけられるリアクションで、「サムズアップ👍」の絵文字を送ったつもりが、間違えてその隣にあった「怒り😡」の絵文字を送っていたのだった。 そのあと、友人と「なんでこんな紛らわしくて不便な仕様なんですかね」とFacebookの文句を言っていたのだが、ふとそこで思ったことがあった。 「Facebookは世界中に20億人のユーザがいて、付帯するメッセンジャーを使っている人も多分10億人かそれ以上かのユーザがいるなかで、こんな不便な仕様に文句を言う人がいないわけがない。という数十万単位で文句が寄せられているはずだ。それに対して、優秀なFacebookのプロダクトチームが放置し続ける、なんてことがあるんだろうか?」 と。

そういう思いで、改めてメッセンジャーのリアクション機能を少しいじっていたら、すぐに発見した。リアクションの絵文字のデフォルトの6種類をカスタマイズできることに。 操作方法は簡単で、6種類のマークの右隣にある「+」ボタンを押すと、もっとたくさんの絵文字リストが出てくる。そして、6種類の絵文字の中で、変えたい絵文字を選び、下の方のリストから好きな絵文字を選べば、入れ替えることができる。

なんと、こんな機能、まったく気づかなかった。いつからあったのだろうか。

メッセンジャーにリアクション機能が実装された当初にはこの絵文字カスタマイズがなかったことは明らかである。というのは、2017年3月のこの機能のリリース告知の記事の中のスクリーンショットには、この「+」が表示されておらず、指定された7種類の絵文字から選ぶしかできなかったことがわかるからだ。

about.fb.com

それが、いつの間にか、絵文字のカスタマイズができるようになっていたのだ。いつなんだろう。

2017年の記事のスクリーンショットを見ると、その時から、怒り絵文字とサムズアップが隣同士にあることがわかる。なるほど、これはリリース当初から、世界中でおそらくすさまじい数の「リアクション絵文字打ち間違い」が引き起こされていたことが想像できる。そして、たくさんの苦情がFacebookには届いたことだろう。その要望は、なんならもう2017年4月くらいには十分認識していて、さてあとはその機能改修を実装するのかどうか、実装するならどのような形か、という判断と決定にまもなく話は移っていたのかと想像している。 もしかしたら、2018年くらいには、既にこのカスタマイズは実装されていたのだろうか?誰か詳しい人がいたら教えてほしい。

f:id:startselect:20211213233930p:plain

ただぼくが今回気づいたことは、ぼくにしても友人にしても、このメッセンジャー絵文字リアクションがカスタマイズできることは全く思ってもみなかった、ということである。機能実装されて何年経ったのかわからないが、ぼくにしてもその友人にしても、メッセンジャーを日々相当に使っている。それだけ使っていながら気づかなかったのだ。

ここからわかることはなにか。 あるソフトウェア・プロダクトのUXに関して、一度ユーザが慣れ親しんだ動作は、よほどの大きな構造変化がない限りは変わることがなく、その結果無意識で使い続けるため、新たな選択肢が機能として追加されても、まるで気づかない、ということである。しかも、致命的な不具合の改修ではなくて、せいぜいNice to Haveの機能の話なので、そこはより一層気づかないのだろう。

今回たまたま「Facebookの開発陣がそんな問題を放置し続けるわけがない」というFacebookに対する信用の高さがあったから、「なんらかの解決方法がすでに実装されているはずだ」という予想にいたり、そこからこの「+」ボタンの発見に至れたけれど、これは世の中で多いケースかというと、いやそうではない気がする。

世の中のプロダクトで、そこまで作り手側の技術力なり実装力なりがユーザから信用をもたれているケースってどこまであるんだろうか。直感としてはあまりないような気がする。逆にいうと、そこまでの信用を勝ち取れれば、それはユーザのロイヤリティが高いということでもあるだろうし、目に見える部分以外としてのブランドの強さや価値創造の源泉となっている、そうも考えられるような気がしたのだ。

f:id:startselect:20211213233956p:plain

最後に、このリアクション絵文字カスタマイズについて気づいたことを補足して終わりたい。 PCブラウザのメッセンジャーで絵文字カスタマイズをしたのはいいのだが、そのあとでスマホメッセンジャーアプリ(iOS)を見たら、そちらではカスタマイズは同期されていなかった。iOSアプリのリアクション絵文字を変更したあとで、Androidでも同じように見てみたら、やっぱり変わっていなかった。 モバイルアプリにはこの変更は同期されないらしい。 そこは同期してくれたらもっとよかったんだけどな、と思いつつ、しかしそんなことを同期させたところでFacebookにとって大きな価値追加となるようなユーザ体験向上が起きるかというと、たぶんほとんど起きない。という意味で、その実装はしないという判断がされているんだろうなと思う。し、実際それでいいのだろう。

広告だらけで見るのも疲れるようになってきた感もあり、また若年層のサービス離れなんかも言われて久しいFacebookではあるが、なんだかんだいって自分は依存して頼っていて、そして信用してるんだなぁと思った。