「非エンジニア」だから「つくらない」にはオサラバ。
毎日ブログを書く企画をやっているのだが、総勢9人という大所帯になった。
さてこうなると、ほかの人の書いた記事をなかなか読むことが大変になってくる。
しかし、一緒にやっているメンバーどうしでの相互の影響、化学反応が起こる面白さを想定すると、できるかぎり他のメンバーの記事を読みたい。
どうしたら読みやすく読めるのか?
そうだ、ブログのRSSを拾って、自動で記事タイトルを時系列で並べてくれるサイトを作ればいいじゃないか?
と思って作ったのがこちらのサイトだ。
Blog Game ブログを書き続ける企画 まとめ読みサイト
構成は単純だ。
WordPressに"RSS Antenna"というRSSを拾ってくるプラグインがある。 (*1)
これを自分で設置したWordPressに設定しておき、今回の参加者のブログのRSSを読み込ませ、ヘッドライン上に表示されるページを作っている。
それだけだとあまりに味気ないので、各人のブログごとにもページをつくり、そこには"RSSImport"というプラグインを使って、記事タイトルが時系列に並ぶようにしてある。
これで、みんなのブログを読むには充分だ。
ぼくは何か作ろうとするときの「エンジニア、非エンジニア」という区分けでの思考停止が好きではない。
特に、自分が「つくれない」という弱みを感じている人に「非エンジニア」だというアイデンティティのラベルを付与することで、そこから脱出していくことそれ自体を阻んでいるような気がする。
ぼく自身は、世の文脈でいえば「非エンジニア」だ。
いくつか要素分解して考えてみると、
まず、それ(ソフトウェアエンジニアリング)で生計を立てていない。
また、プログラミングを始めとしていくつかのスキルを、スクールで学んでみたこともあるが、それを突き詰めたいという感覚が湧いてこないままだった。
それを踏まえて、自分の適性、強みの発揮はエンジニアリングにはない、と判断している。だから「非エンジニア」だと思われる。
しかし、それは「作らない」ことを意味しない。
エンジニアリングそれ自体の特性、スキルは高くないとしても、たとえばWordPressのカスタマイズでWebをつくる、Google Apps Scriptの応用で便利な自動化装置をつくる、UnityをGUIで操作してゲームをつくる。などなどつくれるものはいくらでもあるし、そのためのツールもたくさん存在している。
ほとんどコードは書けなくても、自分がほしいもの、必要なものを、組み合わせと工夫で、そこまで時間と気合を入れずに作ることができる。
むしろ、スクラッチ(0から)でつくるわけでないからこそ、早く、手軽にほしいものを組み合わせでつくれるというのは、プラスでもあろう。
もちろん、世界初のものをつくるためには、深いエンジニアリングへの興味関心、実践知が高いレベルで伴っている必要があるかもしれない。
しかし、そこまで意気込まなくても、つくる楽しさ、つくったものを実用する楽しさは、だれにでも開かれている。
繰り返しになるが、"非エンジニア"と自認する事自体は良い。
加えて、"エンジニアの強み、仕事ぶり、その作法へリスペクトを払うこと" はとても大切である。
特にプロのチームの仕事では、立場、機能の違う人同士が相互に敬意をもってコミュニケーションすることは必須といってもいい。
ただし、個人であるとかスモールプロジェクトとかの取り組みでは、"非エンジニア"のアイデンティティ・ラベルを自分に貼り付けてしまうこと、そして何かする前に諦めることは、とてももったいない。
ちょっと調べて、ちょっと手を動かせば、できることはたくさんあるし、欲しいもの、作りたかったものをつくることもできる。
そういう文脈では「エンジニア、非エンジニア」という切り分け方を使わなければいい。
もっとピッタリなことばがある。
「ハッカー (Hacker)」
ハッカーのマインドは誰でも持てるし、実践できる。
もちろん、ハッカーを名乗るほど自信がないというのであれば別にそれを使わなくてもいいのだけど。
でも
「非エンジニアだから動くものを作りません/作れません」
この発想だけはもう、オサラバで。
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