ギブギブン

1ヶ月毎日ブログ書く企画ではじめたブログです。

行動し、助けをもらって振り返り、強みを見つけよう。

12/22から12/31までブログを毎日書くという自主企画は未達だった…。自分でもびっくりするくらい記事が書けなかった…。 12/31の分は書いて今年を終えることにしたい。
これを今、千葉県から東京に戻る電車の中で書いている。

2018年の振り返りをしている友人が多い。
Facebookの文章に、プライベートと仕事をそれぞれに整理して振り返る人もいれば、未来を変えるプロジェクトで提唱されている4人1組で行うワークの方式で振り返る人もいる。 (*1)

ぼくは今回2つの方式でやってみた。
1つは知人のLEGOシリアスプレイというレゴを使ったワークショップメソッドの認定ファシリテーターの方が主催されていた「LEGOを使って4人1組で振り返る」というワークショップ。
もう1つは、昨日友人のKさんと即席で編み出した「Trelloを使って対面で振り返る」という方法。

Trelloのほうはいつかまとめるとして(笑)、レゴのワークショップがどんなもので、どんな気付きを得られたか整理したい。

4人1組になり、それぞれがまず個人ワークとして、1年間を4つの時期に分けて起承転結の「ユーダイモニア」というものを紙に書く。ユーダイモニアって何という話だが、ポジティブ心理学ではこのような意味だそうだ。 (*2)  

ユーダイモニアは「生きがい追求型」で、自己実現や生きがい、人生の意味と関わる幸せのこと  

自分自身の生きがい、自己実現、意味というところで1年をどう振り返るか。
そのように見ると、ひとつひとつの記憶は単発のイベントに紐付いていることが多いのだが、それを時間軸に並べ、かつ起承転結のように転換と流れを捉えると、そこには自分にとっての変化がどことなく見えてくる。

さて、そのうえで、次は複数人のワークショップということで、その自分の1年間を他の3人にして、ほかの3人にレゴブロックで私の話したことを構築してもらう。そして、それの説明をそれぞれからしてもらい、気になるところを深掘りする対話を行う。

やってみて思ったのは、自分が他のひとの説明を聞いてブロックで作るという段においては、興味関心度合いを意識的に高めることになるということ。まったく耳慣れない専門的な言葉が出てくることもあるんだけど、そういうときのほうがむしろ面白い。わからないセカイを理解してみようとすることで脳が普段使わないような使い方をできる気がするのだ。

自分で説明して他の人に作ってもらい、その説明を聞く段では。実は自分自身では、体験したことを経験として整理して意味付けしきれないこともたくさんあるなーと思った。そもそも自分は体験主体そのものなので、それを捉えるフレームを作り直すことが結構難しい。脳は省エネが得意なので、なんでもかんでも自分のよく分かっているフレームに持ちこもうとしてしまう。だがそれでは新しい視点が得にくいのだ。そこを「傾聴してくれる他者の目と手」で新しい視点、意味をつけていくことが面白い。

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これが他の参加者につくってもらったレゴ。

振り返りの目的は、なんだろう。人によると思うけど、ぼくの場合は「過去と同じ状態に留まる、同じ停滞に生きる」ことが怖いので、今までに重ねた時間と今立っている位置が、とどまっているかそうでないかどうかを検証することが大切だと感じている。その検証が目的だ。

そもそもなんで留まることが怖いのか。それは自分の内面よりも他者との関係から説明がつくような気がしている。
ちょっと長くなるが過去を遡る。
ぼくはずっと自分の将来を考えることが苦手で、人からそれを強いられることを苦痛に感じていた。なんとなく時を重ね、先の人生をつくるという思想を遠ざけて生きてきた。
それでなんとなく大学を卒業して、好きだったプロダクトと好きだった人がリーダーである会社で仕事を始めてふと気づいたのは、「留まっていることを好む人と、変化する人を好む人の間の永久に越えることのできない壁」が存在することだった。 はっきりと言えば「岩田聡さんが社長を勤める会社で、岩田さんの理念や行動規範、視点を学ぼうとしない人がどれだけ多いのか」という現実に出会ったのだ。
ぼくは岩田さんの社内外の発信を可能な限り目を通し、語られている言葉を理解しようとし、薦めている書籍を読もうとした。仕事でのアウトプットのクオリティがどうだったかというと大したことはないけれど、「リーダーから学ぶ」ことについては真剣だった。
だが、年上の管理職と言われる層の人達の多くは、あまりそれに興味がないようだった。今となれば分かることだけど、ぼくがいた部署の仕事は大きなくくりでは「ルーチン」だったのだ。ミスのないように、上司の覚えめでたくやってきた人が昇進しポストについていく。ルーチンのセカイで、外部からやってきた若き(僕が入社した時岩田さんはまだ49歳だった)社長の理念を学ぶことは、そもそも意味がないことだった。
人の噂、人の評判、誰が好きで誰が嫌いで。そんなことがマインドシェアの多くを割くような場は、岩田さんへのリスペクトが強かった24歳が「もういいよ」と思わせるに十分だった。

…長々と過去の職場の文句が書きたかったわけではないのだ。そもそも、そのときのことはすべて他の人のせいだ、と、思っているわけではない。今からすれば、あの職場を面白く巻き込んでいくためのコミュニケーション設計も色々と考えることができる。あのときそんなことが見えていたらまた違うことができたのかもしれない。
とはいえ、そこは今の本題ではない。今日ここで書いておきたかったのは「変わらない、留まることがすべて」になると、その淀みは取り返しがつかないんだなぁと24歳の僕は思って、そうなりたくないと強く思うに至ったというエピソード。それだけだ。

こうやって記憶と感覚を引き出して改めて言語化してみると、そのとき覚えた違和感は8年以上経った今も自分の価値基準に置かれているように感じている。

しかし、その違和感は持ちながらも「未来の自分をイメージして、どんな生き方をしているかからの逆算から行動をデザインする」ことは長きにわたって苦手で避けてきたままだった。
もちろん世の中には、不得意を無理にやろうとしないほうがいいケースもある。それこそまさに岩田さんが、ドワンゴの川上さんと語っていた話。 (*3)  

岩田氏:  ただ,気を付けなくちゃいけないこともあって。簡単に言うと,「自己評価と他己評価の違いに気を付けた方がいい」って話なんですけれど。

4Gamer:  というと?

岩田氏:  要するに,「自分の好きなことと嫌いなこと――もっと言えば,自分がやりたいこととやりたくないこと――を,自分が得意なことと得意じゃないこととイコールだ」と思い込んでる人が多いです。本当は,それってかなりズレてるのに。

川上氏:  ああ,ズレてますよね。

岩田氏:  好きじゃないけど得意なこともありますし,好きだけど,実はあんまり得意じゃないよっていうことも結構あって。だから,仕事というのは「得意なこと」をやった方がいいんです。好きだけど得意じゃないことに溺れると,仕事っておかしくなることが多いんです。

そう。好きかどうかでなく、得意かどうかで仕事をしよう。
この言葉は、「好きなことが見つからない」「好きなこと(趣味)はとても仕事になりそうにない」と思う僕には、救いであった。
一方で、得意がなにかということがよくわからないままでもあったので、じゃあ僕の得意はなんですかという気持ちでもいた。

岩田さんはちゃんとそれを考える方策も提案してくれていたのだけど。以下は上の対談の続き。  

4Gamer:  好きだけど得意じゃないこと,ですか。でも,自分でそれを見分けるにはどうすればいいんだろう。

岩田氏:  自分の労力の割に周りの人がすごくありがたがってくれたり,喜んでくれたりすることってあるじゃないですか。要するにね,「それがその人の得意な仕事なんだ」って話で。逆に,自分的にはすごい努力して,達成感もたっぷりあるのに,周りからは「はあ?」みたいに思われることもあって。それはね,本人が好きだったとしても,実は不得意なことかもしれないんですよ。

4Gamer:  なるほど。

岩田氏:  この話はですね,私は毎年,会社説明会で学生さんにお話しているんです。よく「自分の強みを見つけろ!」みたいな話を学校で言われると思うんですけど,普通は,学生時代に「何が自分の強みなのか」なんて,なかなか簡単には分かんないわけじゃないですか。

川上氏:  そうですよね。

岩田氏:  だから,「“労力の割に周りが認めてくれること”が,きっとあなたに向いてること。それが“自分の強み”を見つける分かりやすい方法だよ!」って,いつも学生さんに喋ってるんですね。「さっさと得意なことが分かった方が,人生はいいぞ!」って話なんですが(笑)
 

改めて読むと、また刺さる。
「さっさと得意なことが分かった方が人生はいい」いや本当にそうだなぁ。
この岩田さんの方法で、得意を見つけるためにひとつ大事な前提がある。それは「周りの認めてくれた」を正しく検知することである。これが実はそんな簡単ではないと思う。というか難しい。「認める」とは、誰が、何に対して、どのように認めてくれるか。その加減と評価内容の認識がうまくいかないと、それが得意だったかの的確なフィードバックを得て行動変容につなげられないからだ。

そこで…ようやく話は振り返りに戻ってくる。何がいいたいかと言うと、それだから「他者の目」は大切なのだ、と。
自分の取り組んだこと、うまくいったと自分は思うこと、ここがうまくいかなかったと悔しく思うこと、あるいはまるで自分がそこに価値ありと見えていないこと…。それをバックグラウンドの異なる他者の目で見て、フィードバックをもらうことで、岩田さんの言う「強みを見つける」の実現に近づくのだ、と。

ここまで書いて思うのは、このフィードバックと気付きのサイクルは、1年ではなくて、もっと短く区切ってみたほうがよいな、ということ。1年だと、少なくとも僕にはあまりに長い。記憶が流れ、その経験の中に「他者が評価する強み」が入っていても、それをこぼして時間が去っていってしまうのではないかと感じる。

ということで、2019年にやるべきことが今ここで見えてきた。
それは「他者から見ての強みの発見を行うサイクルを頻度高く回すこと」である。

これを自分で望むということは、同時に、他の人の発見に自分が関わるということでもある。

このブログのタイトル「ギブギブン」はアダム・グラントの著書「Give&Take」にインスパイアを受け、いかにGiveするかを意識しようぜ自分!という思いで2年前に付けた。
2年たった今、改めて考えてみても、そこは変わっていない。

どういうやり方で、誰に何をGiveできるのか。
そこを考えた先に今、この記事を書いていて「他者から見ての強みの発見」を(相手が望むならば)一緒にできたら、それはひとつGiveかもしれないと思った。
それを積み重ねていくと、強みの発見を通じて、仕事をおもしろがって価値を出していくことにつながった、という人も出てくるかもしれない。
それ、いいなぁ。

ということで2019年2つやりたいことができた。
「強みの発見を行うサイクルを頻度高く回すこと」
「他者の強みの発見を一緒に行うこと」

とはいえ、この2つには共通する、そもそも前段として必要な行動がある。
それは、自分で自分のリーダーシップを取って、不安と好奇心感じるようなことに対してアクションを起こすことだ。 その先に、他者から見て強みがあったかどうか、を知る契機が生まれてくる。自分で最初からできると思ってタカをくくりやすいことばかりやっているのは、それこそぼくがかつてこうなりたくないと思った「留まる人」にほかならないから。
ぼくの尊敬するプロフェッショナルの方が書いた仕事の探し方の記事から一言、引用して締めたい。 (*4)  

不安と好奇心に満ちた仕事に、試行錯誤、チャレンジしようではありませんか 

まず行動しよう。
そして行動を他の人のチカラを借りて振り返り、フィードバックを次の行動のプランに載せ、そしてまた不安と好奇心に向き合おう。


*1

40人のビジネスパーソンが絶賛した「1年の振り返り」完全マニュアル

*2

ポジティブ心理学:ビジネスに活かす基本の整理と最新動向_1 | GBGP

*3

www.4gamer.net

*4

老練なコンサルタントが教える「仕事選びの基準」とは?