諸君 私は水のくじが好きだ
コンビニで、2リットル入りの水を買うことが多い。1日を通して、たくさん水を飲むのが健康に良いらしいと数年前に知って以来、けっこう水を飲む人になった。
さて、コンビニで水を買おうとすると、不思議なことに気づく。
500ミリリットル、1リットル、2リットルの3種類のサイズが売られていることが多いのだが、なぜか一番安いのは2リットル。次に安いのは、500ミリリットル。1番高いのは、1リットル。
常にそうとは断言できないが、コンビニ各社通して、こういう傾向がある。
その理由を考えてみようと思ったが、考える前にググッたら、とても納得いくYahoo!知恵袋を見つけてしまったので、考えるのはやめる。 (*1)
書きたいことの本題は、「くじ」について。
今日、ファミリーマートでいつも買う2リットルの水を買おうとしたら、ペットボトルの首のところに紙が巻かれていた。
よく見たら、「くじ」だった。
水に、くじ要素は求めていない。だが、買う前にくじをはがしたら器物破損になってしまうので、そのままちゃんとレジに持っていって買った。
改めて、くじをよく見てみた。 その場で当たり外れが分かるタイプだ。当たりだと、ファミマの108円相当のスナックがもらえるそうだ。
最大でも手に入る価値は108円相当ということで、くじとしては、恐ろしくリターン金額が小さい部類に入る。というか、これまでに見かけた小売商品のくじの中で、一番リターンが小さい気がする。
当たりの確率は何パーセントだろうか。
コンビニのほかの商品に、このくじがついていたのかどうか確かめていないので、推定に必要な情報が不足気味ではある。だが、このくじキャンペーンが何のためかと考えると、推測はできそうだ。
思い付きだが、狙いは景品のファミリーマートコレクションというスナック菓子の商品群の認知アップではないだろうか。
たとえば、水や飲み物だけを買って帰るお客さん、すなわち私のような人は、客単価が100円程度にしかならない。もしファミマコレクションのお菓子を認知して、買うように行動習慣が変わると、客単価が200円、300円程度に大きく伸びることになる。
しかし、単純に店内にPOPを出しても、目に入らないし、行動は変わらない。そこで、よく買われる水のペットボトルの首に紙のくじをつけることで、ファミマコレクションを意識に取り込まれるように仕掛けているのではないか。
実際のところ、私は今日、水だけではなく、なぜかファミマコレクションのクッキーを1袋、買っていた。
くじが当たっていれば、それは景品としてもらえるものでお金を出す必要はない。だが、会計を済ませる前にくじを開けるわけにはいかないので、ファミマコレクションを今回はお金を払って買うしかないのだ。
私の客単価は、200円程度になった。このくじキャンペーン、なるほど結果は出ているのかもしれない。
このように考えると、くじの当選確率は、高い必要はない。高ければ、その分、お菓子を無償提供するために販促費用がかかってしまう。
また、店員にも、当たりくじと景品の交換というイレギュラーのオペレーションが発生するので、人件費の観点でも、当選が少ないほうがコストを抑えることになるだろう。
したがって、当選確率はおそらく1%程度ではないかと予測している。
と書き終わった今、くじを眺めていて、このキャンペーンの別の要素に気がついた。
「当たりが出たらFamiポート端末にてシリアルナンバー入力」
なる指示がある。
Famiポートとは、チケット発券などができる店内の端末だ。どうやらお菓子をもらうには、当たりくじを店員に持っていくのではダメなようだ。Famiポートを使わなくてはいけないらしい!
とするとつまり、当選した人は、Famiポートなるものを使うことを要求されるわけだ。
それによって、Famiポートで、チケット類の発券ができると学習することにもなる。
これだ。
コンビニでは、いまや公共料金の支払いからamazonの受取まで何でもできるようになりまさにコンビニエンスが一層と進んでいる。が、まだまだそれらの店が提供する機能の多くは、顧客に広く理解されているとは言えない。そこを理解させることができれば、大きな金額の利用の窓口としてコンビニが使われるケースが増える。
すなわち、人々の消費総額における、そのコンビニのシェアを高めることができる。
この「コンビニ活用法の浸透」という戦略があって、その実現の作戦として、Famiポートの認知向上があって、そこに至る戦術として、ファミマコレクションのお菓子がもらえるくじがある。
こう考えるのが、一番すっきりする。
ドヤ顔で「ファミマコレクションの認知向上」と先程は書いた。多分違っている。
当選確率の推測も見直しだ。低かったら、Famiポートを使う人の数が減ってしまうので意味がない。
適当だが、10パーセント程度は当選するのではないだろうか?
仮に3週間、キャンペーンを実施するとして、その間に特定のお客さんが、10回来店して、毎回水を買うとしよう。
そうすると、ハズれ続ける確率は、仮に当選率が10パーセントだとすると、1-0.1=0.9で、90パーセントの10乗となる。これを計算すると、35パーセント。
つまり、当選確率10パーセントのくじは、10回ひいてもらえれば、65パーセントの人が当選する。
これくらいだと、Famiポートを認知させる打ち手としては、ちょうどいいのではないだろうか。
…想像してたけど、ハズレるとなぜか悔しい。
明日も、きっと水を買うのだろう。