ギブギブン

1ヶ月毎日ブログ書く企画ではじめたブログです。

今日もまた、現金。

どうして日本人は現金(キャッシュ)が大好きなんだろう。

経産省の「キャッシュレス化推進に向けた国内外の現状認識」なる資料(*1)によると、日本におけるキャッシュレス決済の比率(金額換算)は2016年で19.8%。
他国を見ると、韓国の96.4%を筆頭に、軒並み60〜40%台が並んでいる。
おそらく日本人の多くが「発展途上国」とみなしているインドでも35.1%となっており、日本よりずっと高い。
驚くべきはドイツ。EU随一の経済強者ドイツが15.6%と日本より低いのはかなり不思議だ。施策例には「現金志向が強い」と書いてあるだけ(笑)。

想像だけど、日本もドイツも、現金を取り扱っても安全だというのが社会的な理由として大きいのかもしれない。
現金をもっているとスリや強盗などの犯罪に遭う可能性に高い国では、たとえ多少の導入コストを払っても、国民としても国家としても、キャッシュレスを推し進めるほうが治安向上に効果が高く、満足度が上がることが想像される。
中国ではキャッシュレスの進展により、泥棒、スリ、偽札工場が減少して治安が改善したそうだ(*2)。

国家自体の変革推進のパワーの差異もそこに関係していると思っている。
たとえば中国は共産党の実質的一党独裁ということもあって、経済、政治を「ある方向に進ませる」ちからが日本よりずっと強い。 キャッシュレスにして、犯罪を減らそうとなったら、それを強力に後押しする。これは環境問題や公害減少にも生きていると思うが。

あとは国家の年齢構成もあるだろう。平均年齢45歳、そして高齢者比率が世界トップクラスに高い日本で、QRコードを読み取れるスマホを活用することが必須のモバイル決済がどれだけ浸透するかというと、仮に国が普及をすすめようとしても「わからない」「使えない」という強い反発が出ることが予想される。特に地方など。そこにかかるコスト、エネルギーを乗り越えてまで、キャッシュレスを進めたいかというと、政府、民間のリーダー層も、頭を抱える人が多そうだ。

別のサイトの記事で、ドイツ、アメリカの支払い手段の比率を見ると、デビットカードがともに27%程度あることに気づく(あれっ、これは最初に出した経産省の調査結果とドイツの現金決済比率が違う気がするけど…。デビットカードはキャッシュに含まれるの?よくわからない)。
デビットカードは預金口座と紐付けられた決済用カードであって、「借金」ができない仕組みなので、よく言われる「クレジットカードは使いすぎが怖い」問題にもある程度歯止めになることが予想される。そして、当たり前だが現金と違って使用権が本人に紐付いているのだから、盗難や紛失による治安の問題も避けられる。いいことづくめに見えるぞ。
しかし、日本ではほとんど使われていない。なぜなんだろう。歴史的経緯?

日本の都市部だとICカードSUICAとか)の決済は増えてきたけど、でもあれのチャージがだいたい駅の自動券売機での「現金」のチャージだったりするから、笑い話だ。
私自身はクレジットカードと紐付いたオートチャージSUICAにしているから、もうチャージとはおさらばした。はずなんだけど、残高が1000円を切った状態で自動改札を通らないとチャージされないため、タイミングによっては1100円くらいしかチャージされていないことがある。たとえばその状態で、1200円以上の買い物はできないわけで、不便…。結局クレジットカードを出すことになるが、すると4桁の暗証番号を入れてくださいと言われて、まためんどい。

というわけで、今日もやっぱりある程度現金を持ち歩いているのだった。はー。
いつこの国から現金はなくなるんだ。

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確かに、この写真みたいなシーンは、現金じゃないと絵にならないな(笑)。お札が降ってくるような映画のシーンはキャッシュレス社会になると観られない。30年後くらいに生まれる子どもには話が通じない絵になるかも。


*1

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoryu/credit_carddata/pdf/009_03_00.pdf

*2

【キャッシュレス社会のデメリット】第4回 キャッシュレス社会で消えゆく仕事とは? | GloTech Trends

*3

ドイツ人は現金主義?クレカ払いはたったの4%! | ドイツBizGuide