「ティール組織」のABDに参加して
書籍「ティール組織」という組織の変革を取り上げた本がある。(*1)
これを題材に、ABD、アクティブ・ブック・ダイアログという手法(*2)を使うイベントに参加した。
感想としていくつか列挙。
・深く読める(部分がある)
これは、自分の担当箇所を深く読める、という意味。
今回のティール組織においては全2回のイベントにて、各回25名程度の参加者がいるので、要するに全ページを50分割くらいにして、1回ひとりあたりの読む分量が割り当てられる。
すると、せいぜい5-8ページ程度。それなら10分くらいあれば読めるし、何より深く読むことができる。
前後文脈とかをかんがえず、自分の割当のところだけ集中すればいいから。
私はティール組織のごつい分量と内容を前に、どうしても一人でよむには「全体感を押さえないと」という意識が働いてしまい、結果的には表を舐めるような読み方になってしまっていた。結果、読んだつもりがよく分かっていなかった。 ABDのセクション担当をすることで、少なくてもそこに書いてあることには向き合える。
・本は目的ではなく対話の材料
25人くらいの参加者がいて、ファシリテーターがいる。その場は、本を読むことが目的でない。その場を通して、本を題材に対話する、自分の考えを伝える、ほかの人の考えをきく、そちらが大事なんだと思った。
同じ本を読んでも、ひとによって読み方が違う。バックグラウンドが違うと、ある文章を当たり前と捉える人もいれば仰天する人もいる。
ティール組織という、ある意味ではパラダイム・シフトを突きつける内容の本としては、非常にそういう場と相性が良いのではないかと思った。
たとえば「ティール組織ではない、従来型の組織にも良いところはありますよね」という意見があるとして、それを誰が言っているのかで相当に文脈も変わってくる。 旧来的大企業に長年勤めていてほかを知りません、というひとがそれを言う場合には、申し訳ないのだが「このひとはアイデンティティ防衛のためにそう言っているのでは...」と思ってしまったりする。そうかどうかもちろんわからないけど、こっちが思ってしまうのだ。
という意味でいうと、ふだん自分がかかわらない人と対話することで、社会における新しい考え方の受容のプロセス(受容されるかはともかく)を感じとって、自分にも感情の動きが起こることは、面白いなと思った。